キャンパスライフ

新任の先生へのインタビュー:久永 啓先生

2021/05/31

2021年4月1日に、経営学科に久永啓先生が着任されましたのでご紹介します。

久永 啓先生(スポーツデータサイエンス研究室)
筑波大学大学院修了後、2006年からサンフレッチェ広島にてプロサッカーコーチ。20122013年には分析担当としてJリーグ2連覇達成。データスタジアム株式会社のアナリストを経て、2021年度より岡山理科大学経営学部准教授。


今回は、久永先生に、経営学科3年次生の大塚さん(写真右)と齋藤さん(写真左)がインタビューを行いました!


大塚さん:岡山理科大学の第一印象はいかがでしたか?

ーー 明るくて見晴らしがよく、すごく良い場所にあると思いました。ただ、徒歩通勤の日は、最後の上り坂がすごいですね、鍛えられます()。大塚さんはどう思いました?

大塚さん:本当に景色が良いと思います。あと、経営学部のあるA-1号館の建物がきれいですよね。

齋藤さん:久永先生の専門領域を教えてください。

ーー スポーツとデータサイエンスとマネジメントを掛け合わせた領域です。スポーツは「する・みる・ささえる」の3つがあると言われていますが、私の場合は、データサイエンスとマネジメントを使い、その3つのあらゆる角度からスポーツを研究していきます。

 大塚さん:なぜその専門を深めたいと思われたのか、きっかけなどはあったのですか?

ーー 私は、もともとサッカーの指導者として、幼稚園児から高校生、プロチームの選手まで教えていました。スポーツの現場で、実際に感じた業界の課題をなんとかしたいと思ったのがきっかけです。
 今や、スポーツ業界でもデータやいろいろなテクノロジーを活用する流れになっていますが、現場の人たちは、データがあっても見方や活用方法がわからなかったりするんです。私は、スポーツの指導においてデータを活用すべきだと考えていたのですが、“データが活用できれば有効なのに、使えないという現実”のジレンマを抱えていました。同時に、「スポーツの指導」には、これからは「データサイエンス」が必要であり、それをうまく機能させるには「マネジメント」の手法が有効であるとずっと考えていました。
 今回、経営学部に着任するにあたり、自分が抱えてきた課題の研究はもちろん、スポーツ組織の方々と一緒に取り組みながら、実際に、研究内容を活用していきたいと考えています。


齋藤さん:サッカーのコーチをされていたといわれていましたが、サッカーのご経験があったのですか。

ーー 中学、高校とサッカーをしていました。プレイヤーを卒業後も、サッカーにかかわりたかったので、大学でスポーツ科学を勉強し、大学院に進み、クラブの指導者となりました。サッカーにとにかくかかわりたかったんです()

 齋藤さん:サッカーのコーチで大変だったことは何ですか。

ーー 総じて、楽しかったです!
・・・ただ、プロチームでトップ選手の対戦相手の分析を行うアナリストをしていた2年間は、とても大変でした()。今は分析システムの開発が進み、情報収集も迅速にできますが、当時は、まだシステムも浸透していないし、そんな予算もないしで・・・。対戦相手の試合映像をひたすら見ては、切り取って、繋げて、すべて手作業で分析資料を作り上げ、大変な作業量でした。もうあんな大変な経験は二度としたくないです()。でも、今もその大変な作業をしている人たちはいて、インフォメーション(情報)を集めることに時間がかかりすぎて、その次(分析)に時間がかけられない、という現状を打開するために、テクノロジーやデータを活用し、作業を効率化させ、分析に時間を有効に使用してもらえるよう、研究を進めたいと思っています。
 それから、大変な作業をして、チームを好成績に導けた場合はよいのですが、報われない場合ももちろん多くあり、それを少しでも報われるようにしたいのです。そう思うのは、自分が大変な経験をしたからですかね。今の私の研究のモチベーションにつながっていると思います。

 大塚さん:とても大変な作業をされていたのですね。では逆に、コーチをやっていて良かったこと、楽しかったことはありますか。

ーー 所属するチームがJリーグで「優勝」という結果を出したことが嬉しかったです。分析担当コーチでいうと、選手がヒーローインタビューで、「分析通りだった」、「分析のおかげで勝てた」という話をしてくれているのを聞いたら、嬉しくてしょうがなかったです。

 齋藤さん:学生時代に思い出に残っていることは何ですか。

ーー みんなは何年生まれ?

 齋藤さん・大塚さん:2000年です!

ーー じゃあ、みんなが生まれる前の話になるけど()
1998年にサッカー日本代表が初めてワールドカップに出場するという、日本中が熱狂する歴史的な出来事があったんだけど、ちょうど私が大学生のときで、前年のアジア予選時から、日本代表の試合を夢中で追いかけていました。ついにはワールドカップが開催されたフランスにまで観戦に行きました()。“もっと日本代表に強くなってほしい、ワールドカップで優勝させるぞ”、と今でもずっと思っているのですが、あのワールドカップのときに、日本代表をサポーターとして応援した思い出がベースになっていて、今の自分の根本になっています。

齋藤さん:すごい!サッカー好きが高じて、今に至られるんですね。

大塚さん:岡山理科大学でやりたいこと、楽しみにしていることがあったら教えてください。

ーー 僕たちが高校生のときは、岡山にスポーツのプロチームがなかったんです。関西に行けば阪神タイガースがあり、広島に行けば広島カープやサンフレッチェ広島があるのに、その間の岡山にはなくて、「スポーツコンプレックス」というのがあったんですよ()。でも、今、岡山には多くのプロスポーツチームがあり、いろいろな可能性を感じています。理大の学生さんたちと一緒に、岡山のスポーツを盛り上げていけるようなことに取り組めたらいいな、と思っています。

齋藤さん:最後に、経営学科の学生と、経営学科への進学を考えている高校生へメッセージをお願いします。

ーー スポーツというと、「プレイ」する印象が強いと思うのですが、冒頭にお伝えしたように、「する・みる・ささえる」と多様なかかわり方があるので、いろいろな人に楽しんでほしいです。また、スポーツは、勘と経験と気合と・・・あと、汗と涙と人間関係、と言われるように(笑)、泥臭い面が強くあるのですが、そうではなく、科学的にスポーツに関わることもできることや、さまざまな視点から、「スポーツの魅力」を知ってもらいたいです。

 久永先生、インタビューへのご協力、ありがとうございました。

 (文・写真:木村真紀)

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