miniレクチャー

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マーケティング

価格競争はうれしいけど? ~コモディティ化と価格競争~

横並びの商品の販売価格は下がっていく

たとえば、洗濯機は、どのメーカーのものでも、それほど大きな性能差はありません。そうなると、できるだけ安い洗濯機がほしいと思いますよね。このように、製品に違いを感じることができず、値段だけで購入する現象を「コモディティ化」といいます。
しかし、メーカーにとっては、「コモディティ化」は深刻な問題です。なぜなら、いくら素晴らしい製品を作っても安い値段でしか買ってもらえないからです。新製品を発売しても、他のメーカーもそれに似た製品を開発・販売するため、値引き競争が激化し、販売価格が下がっていく現象が起こるのです。
そこで、少しでも価格競争に陥らないように、デザインを変えたり、アフターサービスを充実させたりすることで、「脱コモディティ化」を目指して日々努力しているのです。ユニクロ、アップル、スタバ、旭山動物園などは、脱コモディティ化がうまくいっている例といってよいでしょう。確かに、その商品にしかない機能や他社がしていないサービスには、私たち消費者もきちんとお金を出しますものね。

社会的価値のある製品を出す企業は凄い

日本で初めて「電卓」が登場したのは1964年。今のシャープである早川電機が「コンベット」という製品を世界に送り出したのです。価格は53万5千円、「日産ブルーバードより5千円安い」といううたい文句でした。当時の企業から見れば、自動車を買うより電卓を買って、仕事の効率を上げるということが優先されていたんでしょうね。今では100円ショップでも購入できる電卓が、自動車とほとんど同じ値段だったとは信じられません。機能的だけでなく社会的価値のある製品を生み出したシャープの目の付け所はやはり凄かったということです。

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