miniレクチャー

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マーケティング

最近増えているプライベートブランドって? ~消費者参加型商品のねらい~

なぜ小売業が自らのブランド商品を開発するの?

コンビニなど、販売店の店頭で、プライベートブランド商品(PB商品)をよく見かけるようになりました。いわゆる小売業による自主開発・自主生産商品です。PB商品の割合は、取り扱う商品の特徴によって、10%未満から100%(製造小売業)まで、さまざまあります。コンビニの場合は、大体40~50%程度です。結構、高いですよね。
もともと、商品を仕入れて販売をするのが小売業ですが、なぜ商品の開発・生産にまで取り組むようになったのでしょうか。それは、メーカーが生産するナショナルブランド商品(NB商品)より、利幅が大きいからだ、と答える人が多いでしょう。実際、NB商品は、開発までに、販売データの分析やアンケート調査・アイデア収集など、多くの時間と手間がかかります。あるいは、メーカーと協力して、価格を抑え、消費者を引き付けようとする工夫だと思っている人もいるでしょう。確かに、それらは、PB商品が生まれた大きな要因のひとつだといえます。しかし、それらだけではないのです。
小売業では、日々顧客と接していますから、顧客のニーズや要望を店頭で直接感じることができます。顧客の生の声には、実にたくさんの商品開発に関するアイデアが潜んでいます。商品開発をする前に、販売データを分析したり、アンケート調査をして初めて顧客の意見を知ることになるメーカーに比べて、直接に顧客の様子を知ることができるという点で、小売業の方が優位性をもっています。この優位性を活用して、お店に来てくれる顧客の要望を反映したPB商品、たとえば、少し小さめの○○、□□味の△△、◇◇とセットした▽▽、などを提供し、NB商品や他社との差別化を図るとともに、顧客満足度を高めているのです。

顧客はどのように商品開発に参加しているの?

一般的に、商品開発のプロセスにおける企業と顧客のかかわりをみてみると、
  企画(企業)→アイデア収集(企業と顧客)→分析(企業)→投票(顧客)→
  生産決定(企業)→予約販売(企業と顧客)→生産・発売(企業)
となります。顧客の参加によって、企業組織の中ではなかなか出てこない発想が生まれたりします。顧客も、自らが商品開発のプロセスに参加したのですから、当然、その商品の購買意欲は高くなることも期待できます。
最も消費者に近い販売店は、この強みを意識して、「売れる」商品を考えているんですね。
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