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マーケティング

コンビニがなかった昔は不便だったの? ~消費者ニーズを把握することは難しい~

コンビニがないなんて不便ね・・・えっ??

深夜でもお弁当をゲットできる24時間営業は、コンビニ発の素晴らしいサービスの1つといえます。若い人たちに「私が子どものときは,夕方7時には,ほとんどのお店が閉まっていたんだよね」という話をすると、「昔は不便だったんですね(可哀想に・・・)」と真剣な顔で同情されてしまいました。しかし、本当に昔は不便だったのでしょうか。そうともいえないかもしれません。というのも、当時の日本では,夕方7時閉店が当たり前でしたから、誰もそれを不便だと思っていなかったからです。
このコンビニの話は「消費者ニーズを理解することの難しさ」を表しています。企業にとって,消費者ニーズを的確に捉えることは、とっても重要なことです。なぜなら、消費者ニーズにあった商品を発売すれば、大ヒットする可能性があるからです。しかし、消費者ニーズを理解するために、消費者に「あなたが欲しい商品は何ですか?」と聞いても「うーん」,「わかんない」という答えが返ってくることがほとんどです。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

消費者ニーズは2つあります!

実は消費者ニーズは、顕在的ニーズと潜在的ニーズに分けることができます。顕在的ニーズとは、既に消費者自身が自覚しているニーズです。ある女子大学生は、「フォリフォリの時計が欲しい!」といっていました。これは顕在的ニーズです。逆に,潜在的ニーズとは、消費者自身が自覚していないニーズとなります。この潜在的ニーズは、商品を使用してはじめて現れます。
先ほどのコンビニの例でいえば、24時間営業が一般的ではなかった時代には、24時間営業が便利というニーズは、潜在的ニーズであったといえます。誰も体験したことがなく、それが本当に便利かどうかさえも判断することができなかったからです。しかし、24時間営業が一般的になり、深夜に営業しているコンビニを利用することで,「深夜でも弁当が買えるなんて超便利!!」と感じることで、そのニーズは顕在的ニーズへと変化したというわけです。

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