miniレクチャー

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データサイエンス

しては、いけない質問?! ~調査は正しく!~

こんな質問では、正しい情報が得られない・・・


あなたは、いまお持ちのスマホのデザインや機能に満足していますか。
はい・いいえ

上の質問は、してはいけない形式の質問です。なぜでしょう・・・。
それは、1つの質問の中で「デザイン」と「機能」の2つのことを聞いているからです。デザインはOKだけど、機能に満足していない人は答えられないですね。つまり、この質問では、正しい情報を得ることができないのです。
企業にとって重要なマーケティング調査やマスコミなどが実施する世論調査は、調査によって、いま社会はどうなっているか、世間の人は何を考えているか、などを明らかにしていくことで、「社会調査」とよばれます。社会の様子を知るために行われるこれらの調査では、正しくデータをとることが大切です。

ほかにも・・・

「音楽番組がよく放送されていますが、あなたはこのような傾向に賛成ですか。」や「日本では臓器のドナー提供者が少ないため、臓器移植がなかなか進みません。あなたは、日本のドナー提供をもっと増やすべきだと思いますか。」も悪い例です。前者は、音楽には、クラッシックもあれば、ポップソングもあり、回答者によって思い描く番組が異なるからです。後者は、前半の状況説明が後半の質問の誘導になっているからです。

このように、質問文で使う言葉や聞き方が不適切で、回答者が勘違いしたり、調査の意図と違った回答が集まったりして、回答に歪みが生じる問題を「ワーディングの問題」といいます。
いくらデータ分析手法やコンピュータが進歩しても、一つひとつの質問をしっかり吟味して作らなければ、社会を正しく把握することはできないんですね。

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