miniレクチャー

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データサイエンス

売れ筋商品を見つける? ~商品管理に威力を発揮するABC分析~

データから法則を見つける

「2:8(にはち)の法則」というのがあります。パレートの法則や80:20の法則ともいわれます。「売上の8割は全顧客の2割が生み出している」というもので、これは、一般に、経験則ですが、現実をよく言い当てています。(ほかにも「売上の8割は全従業員のうちの2割で生み出している」や「交通量の8割は道路の2割に集中している」など,多くの現象にあてはめられます。)
これによく似た考えで、データに基づく手法に「ABC分析」があります。商品を売上高(あるいは利益や販売個数)の順に並べ、累積の売上高の割合が70%までの商品群をA、70%~90%をB、90%~100%をCとします。全体の売り上げに70%もの貢献をしているA群の商品は、品切れなどしないよう重点的に管理し、逆にC群の商品は、簡易な管理とします。

ABC分析の実際

下の表は,ある電器店のある日の売り上げをABC分析用に集計したものです。売上高の高い順に商品カテゴリが並んでいます(実際は、商品カテゴリではなく,1銘柄ごとに集計します)。「売上高(累積)」の列には,累積額が求められています。パソコン(本体)のところには,テレビの売上1,484,257円にパソコン(本体)の売上982,154円を足した2,466,411円が,エアコンのところには,それにエアコンの売上691,452円を足した3,157,863円が入っています。この累積売上高の総売り上げに対する割合が「構成比率(累積)」です。

「構成比率(累積)」を上から見ていくと,エアコンと冷蔵庫の間に70%の境目があります。つまり,累積の構成比率が70%を超える手前の,テレビ,パソコン(本体),エアコンの3商品が(総売り上げの69%も占めているので)Aランクの商品となります。その次から90%を越えないところまでの商品群がBランク,残りがCランクとなります。
この表の通り,70%もの売り上げを支えているものは数品目で、Cは小さな売り上げのものが並びます。実際の商品管理では,このテレビ、パソコン(本体)、エアコンが品切れを起こさないようにします。逆に、Cランクの商品は定期的な発注でよさそうです。
なお、毎日のABC分析の結果を見ていると、商品動向がわかってきます。もし、以前CであったものがBに移っていると、人気が出てきた商品と予想されます。仕入れに注意しておいた方がよいでしょう。逆は人気落ちの商品ですね。突然Aに顔を出せば、大ヒット商品ということです。
こういったデータの単純な集計だけで、それぞれの商品管理に戦略が立てられるのです。

 

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