miniレクチャー

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マーケティング

値上げしたのに、売れ行き好調? ~価格設定と顧客満足度の関係~

安ければ満足度はアップする??

通常、値下げ販売を行なわないコンビニですが、最近では期間限定で「おにぎり値引きセール」を実施しています。みなさんも美味しいおにぎりを安く買うことができれば大満足でしょう。
単純に考えれば、価格を下げると顧客の満足度は高くなり、逆に価格を上げると満足度は下がるように思われます。しかし、ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の入場料は、だんだんと値上げされています。
このような入場料の値上げによって、顧客満足度は低下するのでしょうか?
答えは「NO」です。
値上げによって満足度は上がるという典型的な事例です。
どんなに魅力的なアトラクションがあっても、それらに乗るために何時間も待たなければならないのでは、人々の満足度は大きく低下してしまいます。そこで、テーマパークなど人が多く集まる場所では、入場者数の調整がとても大切になります。入場料を上げることによって、人混みを緩和し、待ち時間を減らせば、値上げをしないときと比べ値上げをした場合の方が、より顧客満足度が高くなるのです。 このように「値引き=満足度アップ」と単純な構図が成り立つわけではないのです。

価格と顧客満足度の関係

普通に考えれば、価格を下げれば顧客満足度は向上し、価格を上げれば顧客満足度は低下します。ハンバーガー業界や牛丼業界で大幅な値引き合戦が行なわれたことは、みなさんの記憶にも残っているでしょう。私たちにとって、価格は安いにこしたことはありませんよね。
しかし、価格の問題は、単に値下げをすれば顧客満足度が上がるという簡単な話ではありません。上記のテーマパークの例のように、顧客満足度を上げるために、あえて値上げをすることもあるんですね。さらに、入場料について、次のような面白い話もあります。
USJでは、小さい子どもを連れたお母さんを数多く見ます。テーマパークなので、子ども連れの家族が多いのは当たり前のように思われますが、その中には、毎日の散歩コースとして利用しているお母さんが多くいます。あるお母さん曰く、近所の公園に行くよりも安心して自由に子どもを遊ばせることができるからということです。確かに園内は、掃除が行き届いており、危険な車もいません。
最近では、年間を通して何度も入場できるパスを販売しているテーマパークも少なくありません。日常の一部として、毎日のように来園する人たちがいることを考えれば、入場料は安くなければなりません。USJでは、年間パスは、当初5万円程度の価格で、コアなファン向けに販売されていましたが、現在は、1万8千円程度で手に入れることができます。つまり、通常の入場料金はだんだんと値上げされてきましたが、逆に年間パスは大きく値下げされていることがわかります。USJ側も、散歩コースとして利用するお母さんたちがいることを知っているので、年間パスの大幅な値上げはやりにくいかもしれませんね。

このように、価格の問題は、値段を付けかえるという単純なものではないことがわかるでしょう。実は、多くの会社は「誰が、どのように、その商品やサービスを利用しているのか」、「満足度を高めるためには、いくらがよいのか」を深く考えながら、価格を決定しているんです。

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