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マーケティング

お得なセット販売、企業は損をしないの?
~セット販売のからくり~

セット販売って「お得」ですよね。

PC本体とプリンタを予算70,000円で買おうと思っているAさんが、本体60,000円、プリンタ15,000円で売っているお店に入った場合、予算オーバーということで、何も買わずに出てきますよね(ひょっとしてプリンタは安いからと、プリンタのみ買うかもしれません)。しかし、もし、セットで65,000円だったら・・・買おうということになるでしょう。また、本体だけを買おうと思っているBさん(仮に60,000円という予算があったとしても)、プリンタがついているので、ちょっと予算オーバーだけど買おう、となることは十分考えられますね。
関連する2つ以上の商品を組み合わせて、1つのセットとして販売する(これをバンドリングといいます)セット販売は、PC本体とソフトウェア、家電一人暮らしセット・・・などなど、その例にはこと欠きません。お弁当と一緒に買ったらお茶は30円引きもその1つです。
通常、セット価格は、個々の商品の合計価格よりも安く設定されます。消費者にとっては、割安感があり、お得、あるいは、ちょうどほしいものがうまくセットされていて、買いやすい、といったよい印象があります。ときには、つい手を出してしまう、不要な品もあるけどお得だから買ってしまおう、というように、誘いに乗せられてしまうようなこともありますね。

でも企業は損をしないの?

しかし、このセット販売、販売業者にとっては、単品の合計より売上が少なくなりますから、損な感じがしますが、実は、次のような利点があります。
まず、上のAさんの例では、単品販売の場合、お店の売上は0円(ひょっとして15,000円)です。しかし、セット販売すると65,000円の売り上げを得ます。本来ならば売れなかった商品を、販売価格よりは割安であっても、売ることができるという利点が出ます。また、1つの商品のみにしかなかった需要を、別の商品の需要(この場合はプリンタ)にまで広げることができます。セットした商品に消耗品が必要な場合(たとえばプリンタインク)、将来そちらの需要も伸ばすことができます。旅行のパック商品や2人1組での割引乗車券もこれに似ていて、道中や現地での消費が期待されます。さらに、AさんやBさんが、そのお店の常連になるかもしれませんし、このお店を周りの人に紹介することで、来店者数が増えるかもしれません。もう1つ、他社にまねのできないセットを作って、差別化を図るということもあります。たとえば、液晶テレビにちょっと高級なテレビ台をつけて売る、テレビショッピングなどでよくみかける例です。液晶テレビはどこで買っても同じものですが、このセットはなかなかいいじゃないか、と、ついこの業者から買ってしまうんですね。
このように、一見すると損をしてしまうように思えるセット販売ですが、長い目でみれば、利益に繋がる可能性がある取り組みといえます。利益が見込めるからこそ、多くの企業が、お得なセット商品を企画・販売しているんですね。

よく似た例として、「同じ商品を消費しているのに支払い額が違う」場合も説明しておきましょう。
同一の商品やサービスを購入するのに、年齢や性別によって支払う金額が異なることがあります。これを価格差別といいます。たとえば、映画料金には学生割引やシニア割引が、電車運賃にも学生割引が、そしてレジャーランドへの入場などにも年齢に応じた値段設定がされています。
一般に、大学生は社会人と比べると所得は少ないけれども、時間の制約は少なく、そして娯楽には興味をもちやすい傾向にありますので、料金を安くすると、たくさん映画を見に来てくれることが期待されます。将来のファンを増やすという意味もあります。一方、社会人は、映画料金が安くても、平日は仕事があるため、頻繁に映画を見に来てはくれるとは思えません。
このように、たくさん商品やサービスを消費してくれると期待される人には低い価格を、価格が低く設定してもあまり消費を増やしてくれない人々には高めの価格を設定することで、販売数を上げ、消費を増やし、より多くの収入を確保する努力をしているんですね。

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