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西山貴仁

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ショッピングセンターは買い物だけの場から
生活全体にかかわる場へ
日本発のマーケティングが重要

Leaders Interview

株式会社 SC& パートナーズ 代表取締役
西山 貴仁(にしやま たかひと)

今回のLeaders Interviewは、ショッピングセンター(SC)施設の改善方針提案などを行う「商業施設コンサルティング」会社を経営され、SCアカデミー指導教授(日本SC協会)も兼務されている株式会社SC&パートナーズの西山貴仁代表取締役です。岡山市でも、約2年前にイオンモール岡山が中心街に誕生したことによって随分と景観や人の動きに変化が生じました。それだけSCと地域は密接な関係にあります。日本の商業マーケットを見渡せば、全国に3,000を超えるショッピングセンターが誕生し、ますます競合が激しくなる一方、商業環境も日々刻々と変化。少子高齢化とあいまっての先行き不透明感が漂っています。
そこで、何十年もSC業界の第一線でご活躍されている西山先生に、地域社会に貢献する商業空間についてお話を伺ってきました。

現在、日本のショッピングセンター業界における新たなトレンドなどをお教え下さい。

現在、我が国には3212 か所のショッピングセンターがあり、売上総額も30兆円を超え、6兆円の百貨店売上高を大きく上回ります。2017 年も46か所のショッピングセンターが開業を予定し、今後もこの傾向は当分続くと見ています。ショッピングセンターを取り巻く市場環境は少子高齢化や電子商取引の台頭などの課題はありますが、人々は必ずリアルでのコミュニケーションを求めるものです。したがってこれからのショッピングセンターは単なる買い物の場ではなく、健康、医療、美容、学習、金融、保険、体験などあらゆる側面からライフサポートの機能を高めていくことになるでしょう。
都心立地、郊外立地、観光立地などそれぞれの商圏特性に合わせた展開が強く求められることにもつながります。

先生が構築される「SC(ショッピングセンター)経営学」とはどのような学問分野なのでしょうか?

前述のようにショッピングセンターは国民にとって欠かすことのできない存在になっています。しかし、ショッピングセンターに関して体系立てた書物や講座、学習の場はほとんど存在しません。書店に行くと百貨店やスーパーマーケットなど流通論として執筆されたものはたくさんありますが、それらを大きく凌駕するショッピングセンターについては既存の研究領域から取り残されているのです。その理由は、ショッピングセンター事業が不動産業、流通業、そしてサービス業の業際に位置しているため、これまでの産業分類の考え方では正しく捉えられなかったからだと思います。
 「SC 経営学」は、不動産、流通、サービスのそれぞれのアプローチから再現性の高い事業モデルとすべく、今、執筆活動、講演活動を行っています。

本学は、高等教育機関としてさまざまな取り組みを展開しておりますが、先生はいまの大学での学びで大切なこと、いまの学生が大学時代に修得・経験しておくべきこととはどのようなことだとお考えですか?

これは日本にとって大きなテーマだと思います。貴学に関わらず、入試の方法、生徒の学習態度、大学の設備・空間、教える学習内容と教授陣、就職活動、卒業後のビジョン、これら一つひとつが影響しあって大学を形成しています。今後、少子化が進み、大学進学率はますます高くなっていくことと思いますが、大学が学生にとって社会人になるまでの猶予期間とならないよう期待します。
 その中で学生に期待したいことは、アルバイトに励むことではなく、今でなければできない、勉強、読書、旅行、留学などに時間を有効に使って欲しいということです。

最後に、私ども岡山理科大学経営学部はマーケティングとデータサイエンスの教育に重点をおく、新しい学びの形を提供したいと考えております。先生からこの新しい経営学部への期待、あるいは注文などがありましたら、ぜひお教えください。

マーケティングとデータサイエンス、とても良い響きです。ぜひ、これを具体的に突き詰めていただきたいと思います。しかし、何事もトライ&エラーです。前例やしきたり、コンセンサス作りなどに捕らわれる時間をできるだけ削減して多くのことにチャレンジして、他を寄せ付けないカリキュラムを創造することを期待します。
 これからは日本発のマーケティングが重要になってくると思います。人の心に響くものは効率的に作られたものでもきらびやかなものでもなく、自然、文化、歴史、食事、慣習など常に不変です。インバウンドが増加する中、ますますその重要性は高まると思います。
 近い将来、岡山理科大発のマーケティングが注目を集めることを楽しみにしております。

本日は,お忙しい中,ありがとうございました。


西山 貴仁(にしやま たかひと) http://scandpartners.jp/
広株式会社 SC& パートナーズ 代表取締役
青山学院大学卒業、東京急行電鉄株式会社入社後、宅地開発から土地区画整理事業の企画、地元調整、認可申請など街づくりを担当。その後、商業施設事業に移り、「グランベリーモール」「たまプラーザテラス」などショッピングセンター(SC)の企画、開発、リニューアルを数多く手掛ける。2004年SC経営士取得。SCアカデミー指導教授(日本SC協会)など業界中枢の役割を担う。月刊レジャー産業にて「新時代のSC経営」を連載中。2015年11月株式会社SC&パートナーズ設立。 宅地建物取引士。

※ 所属、役職等は、取材当時のものです。

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